
第4回 どの国で療育を受けても自閉症そのものが治るわけではない。(後編)
確かにアメリカという環境はがっちゃんにとっては良かった。じゃ、日本の保護者もみんなアメリカに行くべきか? そんなことはないですよ!と。だから私の話を単なる海外自慢としてとられてほしくない。日本のおかあさんに言いたいのは、アメリカと同等のセラピーが受けられなかったとしても、わが子の自閉症がひどくなってしまうなど、悲観悲嘆する必要はないということ。結論は療育のマニュアルではなく、自分の子供と関わってくれる人が「どういう人か」の一点につきる。
日本に帰って来たらがっちゃんは支援学級に入った。けれども高校になって普通の支援学校に入るのは、がっちゃんは合わないと思った。だって就労支援の準備だとかいって、変な内職の訓練ばかりしていたから。だから、自分で自由にカリキュラムを決められるノーベル高校を作ろうと思った。普通の支援学校だと絵を書く時間は週に何時間って決まっているから、どんなに絵が好きでもそれ以上描かせてもらえない。だからがっちゃんの絵が開花したのも、自分たちで高校を運営していたから、というのはとても大きい。結局、療育でもなんでもなく、環境なんだよね。
おもしろいもので、アイムの自閉症の生徒なんて名前をよんでも全く来てくれないし、ふりむいてもくれない。でも美人がやってくると呼ばれてもいないのにやってくる。結局、子供たちは障害のあるなしに関係なく、キレイなお姉さんが好きなわけで。だから髪もメイクも乱れたカサカサの療育担当者が何をいったところで効果がでるわけもなく。となると放課後デイのスタッフって地味でダサい格好はやめて、おしゃれをするべきでしょ? そう思ってアイムではスタッフに「美容室手当て」をつけているわけ!