
第2回 好きは強い! 親は、自分の子どもは何が好きなのかを見極めてあげる(後編)
おかあさんたち全般にいえることだけど、自分の夫や子どもの仕事となると、自分の子どもときの、つまり昭和の自分の父親の環境を再現したがる傾向がある。終身雇用という昭和のモデルを自分の夫や子どもに期待している。すでに自分の夫の置かれている環境が崩れ始めているのに、自分の子どもに期待するのはどうしてなんだろう? 今の市場がどうなっているか知らないのに、子どもの職業を指南するなんて、とってもリスキーだと思うわけ。
だからおかあさんに必要なのは、いつも同じメンバーでママ友会をするのではなくて、新たな人脈を広げていき、自分が相談できる相手を増やすこと。例えば、子どもがスポーツに興味があるなら、スポーツ選手とつながりがある人が知り合いにいたらどう? 強いじゃない?
おかあさん自身の社会的接点が狭すぎるのに、子どもに大きなビジョンをもたせようとするから、当然無理も出るよね。これを読んで怒るかもしれないけど、ファミレスで子どものことをとやかく言っているおかあさんに限って思うわけ。当人がせっかく大学を出たのに、ここでお茶を飲んでいるだけ? それなのに子どもには成果を求める。要は当人がヒマだからあれこれ考えちゃう。
家事はルーチンで、意識の時間があり過ぎるから、頭の中で常に子どものことを反芻してしまう。そうしている間にいつのまにか、小さなことがでっかい問題になっていっちゃうんだよ。保護者の話を客観的に聞いていると、「そこは気にしなくていいんじゃない」とっていう部分をすごく気にしているように思う。
おかあさんにはアドバイスしているのは、「紙に全部書き出す」こと。例えば、何に関して悩んでいるのか。具体的に何を悩んでいるかを全て書きだしたら、優先順位を付けて番号を振りなさい。そうすることで、問題を課題に変えられるようになる。問題はだれも取り組めないけど、課題は取り組めるから。だから「漠然と悩まないで、課題を明確にしなさい」という話を折に触れてする。
おかあさんがやりがちなのは、感情的にワーっと話して、「夫がわかってくれないっ」と怒るんだけど。そのモードで向かってこられたら、夫以外のだれもだってわかってくれないよ。面談中にガーって話すおかあさんには、「ご主人はなんていうんですか?」って聞くと、たいてい「面倒くさがって聞いてくれません」っていう。よそのダンナが聞いてめんどうな話なんだから、それを聞かされる俺はもっとめんどくさいのです(笑)。